2012年3月23日金曜日

私がInnovationが好きな理由

~この記事はレビュー

           と言うよりは思いの丈です~


  最近私はどこのゲーム会行っても『Innovation』というゲームをやっている。ここまでハマったゲームはいわゆる「ドイツゲーム」に出会ってから初めてである。今回はこのゲームの紹介の記事を書く前に「なんでここまでこのゲームを好きなのか」について書いておきたいと思う。(もちろん、日本語版が出る前の時期だから、ゲームの紹介を書いておきたいってのはあるのだが)
最初に結論を書いてしまうと【ここまで展開が多様で毎回のプレイが新鮮なゲームはない】という点に尽きると思う。これはゲームの始まり方、中盤戦という物がどこにありキーカードが何だったか、そして、終わり方はどうだったか等ほとんどが違ってくるということを意味している。これは、いわゆる優等生なドイツゲーでは味わえない体験である。

 多くのドイツゲーには、制限の中うまく(効率良く)やりくりをして、結果ゲームが終わった後の点数にそれが反映されるという展開が用意されている。ここに運の要素をうまくブレンドして、誰もが楽しめるように敷居の低さを用意したところに今の興隆があるといってもいいだろう。しかし、最近(あくまでも私見だが)この作り方が、あまりにもこなれ過ぎていてゲームのインストを受け終わった瞬間から、若干の既視感を抱えながらゲームが始まることが多くなってきた。ゲームごとに違った攻略方法はあるのだが、結局最終ラウンドのアガリ筋を見据えながら1ターン目からの戦略を組んでいく、あるいは、方針を立てていく。このような行為に、並のシステムを被せただけでは、私が耐えられなくなってきた。
 ここに飛び込んできたのがこのゲーム「Innovation」である。様々なカードの特殊能力を使って展開を有利に進め、得点を稼ぎ文明の影響力を拡大していくカードゲームという説明でいいだろう。とにかく、すべてのカードが強い、カードの能力は後になればなるほど強力に派手になっていく。序盤は5点稼ぐのにうんうん頭を悩ませるのに後半は20点やそこらを一瞬で失うなんて日常茶飯事だ。では、Innovationはバカゲーか?適当にわーわーカード能力に翻弄されるだけのゲームなのか?
 違う、それでは勝てないゲームである。序盤からの積み重ねが物をいう、一進一退の攻防を繰り返すゲームになるときもある。この展開になれば、積み重ねてないプレイヤーは不利な展開を強いられるだろう。かと思えば、下位のプレイヤーの引いてきた、1枚のカードが猛威をふるい圧倒的な印象を残すときもある。このランダムさ加減、こいつが展開の多様さを生み出している。ここが、絶妙なゲームである。だからこそ、序盤に築いたリードを守って勝利することを目指すことになれば、毎ターン全力を注がなくてはいけないし、ボロボロに負けていてもワンチャンス引いたカードが救ってくれるかもしれないのだ。この戦略と運のランダム性が、上で紹介したような既視感を、完全に取っ払ってくれている。何度も何度も遊んでこの体験を繰り返したい、このランダム性の波を乗りこなしたい。そういった気持にさせてくれるのだ。ドイツゲーの戦略とアメゲーのバカゲー的派手さ(あるいは軽さといってもいいかもしれない)が、個人的にうまーく混ざり合ってできたゲームだと感じさせてくれる。
 このカードゲームに必要なものは「知略、運、そしてあきらめない意思」最近はこんな感想を抱くようになっている。他のボードゲームではあまり感じない感情だがこのゲームでは本当に大事なのだ。

0 コメント:

コメントを投稿