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2015年2月24日火曜日

ボードゲームが好きなら、Offworld Trading Companyをやるべき

Offworld Trading CompanyというゲームがSteamの早期アクセスで販売開始となりました。
・SteamというのはPCゲームのダウンロードサイト的なもの
・早期アクセスというのはβテスト参加権を金で買うという頭が少しおかしいシステム
このゲームは日本でもかなり流行ったCiv4のリードデザイナー Soren Johnsonが率いるスタジオが開発した経済的RTSです。
・RTS…Real Time Strategy ターンやフェイズの概念がなく、ゲーム内の進行がリアルタイムの戦略ゲームのジャンル(Age of Empireシリーズが有名 半熟英雄もこれに入るみたい)
RTSはPCゲームの中では珍しいことはないですが、経済的というと話は別になります。筆者の知る限り、RTSには戦闘と駒の移動(しかも、大量の駒の移動)が要素として入っていることが多いのです。
しかし、このゲームではその操作量の勝負がないのです…
いやいや、PCゲームの範疇からこのゲームを見た話は、下記サイトのレビューが詳しいので、リンク先を読んでもらえば十分です。ここからは、ボードゲームの俎上に載せてこのゲームをお勧めしたい。
『Offworld Trading Company』プレビュー戦場の霧ならぬ市場の霧がたちこめる経済 画像やゲームの流れもこちらに載っているので、オススメです!)

あなたは社長として、第1期が開始された火星開拓事業に乗り出しました。火星に埋まっている数々の資源(鉄、シリコン、炭素)を採掘し、加工物質(鋼鉄、化学物質、ガラス)を工場から生み出しましょう。
必要な資金は、これらを市場を利用しながら売買することで、手に入れるのです。しかし、市場の利用者はあなた一人ではありません。同じように火星開拓に乗り出した企業の生産によって市場は驚くべき動きを見せるでしょう。
時には、特許・ブラックマーケット・ハッカーの力も借りながら、市場を操り、他社をすべて買収し、火星に独占企業を作る時がやってきたのです!

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競合他社をすべて買収し、火星経済の覇者になろう
気が狂ったのではなく、ボードゲームらしく前文を書いてみました。
ゲームの内容は、土地から資源(原材料)を採掘→その資源を加工→その資源・加工物を市場に売却というサイクルを経てお金を稼ぐ、そのお金で市場から、自分で作れない加工品を買ったり、加工工場を余らせてるなら原材料を買うというもの。この市場というのはプレイヤー間の需給により値段を決定しており、誰かが市場に物を売ればその物が安く・誰かが市場から物を買えばその物が高くなる。ゲーム内の土地にある資源は有限なので、ランダムに決定される資源の偏りによって、高くなりやすい資源・安くなりがちな資源が決まっていきます。
ただし、市場とのやりとりが値段を決めるため、誰もが水を生産しなければ、安い水でも価格は上昇し続けることもありえます、加工品の鋼鉄も皆が余らせれば、値段が下がり続けるなんてこともあるのです。
ここまで聞くと、似たようなシステムを持ったボードゲームが思い浮かんでくるのではないでしょうか。需給による市場価格の上下なんかは、電力会社の資源市場にも似ていますし、アグリコラの資材の余り方だってこの側面があります。加工品を売って稼ぐなんていうのはル・アーブルや、祈り働けなんかを連想させるでしょう。
これらとの一番の違いは何でしょうか?いうまでもなくこれがリアルタイムだということです。しかし、違いはリアルタイムであるというだけです。いつもやっている他プレイヤーの状況を見て、市場の需要を予測し、限られたリソースを使いながら利益を生み出す。
これを手番順の中でなくリアルタイムでやる。Offworld Trading Companyは、Real Time Board Gameなのです。資源の配置は毎回変わりますが、その他はほとんどが公開されています。驚くほどボードゲームなのです。(デジタルミーツアナログ
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鋼鉄を生産する工場
 
リアルタイムでやる一番の利点は長考の解決でしょう。このゲームでは、決断までの時間をどれくらい使うのかというのもリソースの消費なのです。長考はリスクになり得ます。細かく操作をすることよりも、適切なタイミングで市場へのアクションを起こすことが大切なのです。
最初は火星への入植権が少ないので、入植権を増やしていく必要があります。その方法は、司令部のアップグレードです。それには、鋼鉄・アルミ・ガラスが必要になります。
では、プレイヤーはどう動くのか?鋼鉄・ガラスを生産し、アルミを採掘するでしょう。しかも、最初は必要な資源を自分だけは供給しきれないため、かならず市場で加工品を購入します。
加工品の値段は上がるでしょう。しかし、このまま進めばどうでしょうか?鋼鉄はこのままの高値を維持するでしょうか?そうです、みんながこのまま増えた入植権で、鋼鉄を生産し続ければ、鋼鉄の値段は下がっていくはずです。
しかし、ここで誰も食料を生産していなければ、司令部のアップグレードに伴う食料需要の増大によって、食料のほうが値段が上がりやすくなるかも…(これを相手の場の状況を見ながらリアルタイムで判断するのです!)
このボードゲーム的判断をリアルタイムにやる面白さは、まさに新しいジャンルだといえるでしょう!

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左側のマーケットで取引をして、現金を稼ぐ

このボードゲーム的素養を持ったゲームは現在ベータ中であり、PCゲームに必要なグラフィック効果の部分はまだまだです。(まだ、グラフィックを正式に動かすエンジン待ちの状態なんだそうです)
今すぐに買うべき!マストバイ!とまでは進めませんが、ボードゲームのシステムの持つ面白さが好きな読者なら必ず新しい体験を手に入れることができるとオススメ致します。

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